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「特集4」「リフロー炉内フラックス洗浄の秘密兵器となるか?削らず拭き取る剥離剤 313mcrの検証」
先日、一通のメールを頂きました。
それはリフロー内のフラックスを削らず拭き取る剥離材「313mcr」というものがあるのでニュース記事にして欲しいとのご依頼。
以前、レビューした魔りょくリーンのように「試してみたい!」という好奇心から早速、販売元の(有)クラフト(03-3650-8099)にサンプルを依頼しました。
先ずは一緒に送られて来た資料を見てみると大手電機メーカーからの依頼で開発された洗浄剤ということだ。
まあ、大手さんが絡んでれば環境にもやさしいということが伺える。
ついでにMSDSにも目を通す。
成分はシュードキュメン 15〜25%、その他有機非ハロゲン化合物 75〜85%だ。
・・・っていうかシュードキュメンってなんだ?!ネットで探しても情報少なし。
労働安全衛生法該当トリメチルベンゼンとも書いてある。
ではトリメチルベンゼンを調べてみると
「皮膚に接触すると刺激し、局部発赤、脱脂する。
」・・・
どうやらゴム手袋はしたほうがよさそうだ。
カタログにも「・液剤と直接の接触を避ける為、手袋、マスク、保護メガネ等の着用を義務付けてください。」と記している。
また引火点が約53℃で引火性があるので火気厳禁ですので念のためヒーターもオフにして冷却してから作業しましょう。
それと「飲み込めば有害の可能性がある。」とも書いてますので間違っても飲んじゃいけません。
可能性がないかもしれませんが、責任は持てません。
313mcrの主な特徴は
<高い安全性>
毒劇物取締法・PRTR法・有機溶剤系中毒予防規則等に非該当
<被塗装基材に影響が少ない>
金属、特に非鉄金属(アルミニウム・亜鉛メッキ等)を腐食、変色させにくい
<作業環境に優れている>
塩素系溶剤のような不快臭が少なく、作業環境面が改善可能
とのことだ。3番目の不快臭がないということだが、実際に嗅ぐと不快では無いかもしれないが愉快でもない。
あまりいいにおいではないということは言えるだろう。
それでは早速使ってみようと思います。
説明書に書いてある推奨使用方法は以下の通りです。
※使用前に目立たない場所で試し拭きし、下地を痛めないか確認しご使用ください。
※表面のゴミ、ホコリを取り除いてください。
@液剤をウエス等にふくませフラックスをふき取ります。
A付着のひどい部分は液剤をふくませたウエス等で数分間、放置します。
Bフラックスが残る場合は再度、ふき取る作業を繰り返します。
C液が乾かないうちに、必ず水ぶきしてください。
上記に加え、フラックスの付着状況に応じてIPA、エタノールで
2倍から5倍に希釈
した方がいいとのこと。(経済的に推奨)
使用方法の注意としては
・液剤と直接の接触を避ける為、手袋、マスク、保護メガネ等の着用を義務付けてください。
・プラスチック製下地、塗装面は溶ける恐れがあるので使用を避けてください。
・金属への影響は少ないですが真鍮、銅などを変色させるおそれがあります。
・アスファルトは溶解、変色する場合がありますので使用できません。
・液剤を使用した部分は必ず水ぶき処理をしてください。
・ご使用の前に必ず、製品安全データシート(MSDS)をお読みください。
*上記の内容に対して当サイトは責任は持てません。
それではリフロー炉内フラックス洗浄の秘密兵器となるか!?リフローに蓄積したフラックスを削らず剥ぎ取る剥離材313mcr。その洗浄力を検証してみます。
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「検証開始」
送られてきた「313mcr」
魔りょくリーン
のときのペットボトルではないだけ「なんだか行けそうなきがする〜」
さて今回のターゲットはこの部分だ。
この赤い部分を拡大すると。
こんな感じです。
3倍に薄めた313mcrをウエス染み込ませ2分ほど放置。
そして30秒程度力を入れてゴシゴシと拭くとこんな感じ。
更に範囲を広げ2分ほど全体をゴシゴシと拭きます。
そうするとこの通り。
なかなかいい感じ。
さて、今度は置く側のレールです。
こちらの方がフラックス付着が多い。
薄い汚れは簡単に落ちますがこの部分だけは集中が必要です。
313mcrを塗布して2分放置したあと、1分拭き拭きしました。
さらに1分拭き拭き。
それから30秒拭き拭き。
大分きれいになりました。
当然のことながらフラックス膜が厚いほど時間はかかります。
例えばこういう感じの薄いフラックコーティング状態であれば。
塗布2分放置、3分ほど拭き拭きすればこの通り。
面白いくらい取れますね。
でもここからが本番です。
一番フラックスが付着しやすいリフローゾーン。
既にコンベアと同化してしまっている。
これはまさにデンジャラス・ビューティーと言っても良い。
洗浄する前にSMT担当に問いただすと拭き掃除してるのだが落としきれる時間が無く、それが蓄積したとのこと。
これは何とかしてやりたい
。
しかしここまで付着しているとまともな方法では落ちません。
拭き拭き攻撃もウエスがボロボロになってしまいます。
313mcrはフラックス剥離剤だ。
そこでちょっとカッターで傷つけないようにこすると、パリパリと剥がれることが判明。
全体に313mcrを塗布しなおし、10分放置する
カッターで削ると結構剥がれていきます。
カッターは刃ではなく先端の斜めの面でこするようにします。
その作業をすること20分。
カッターである程度削り、拭き拭きする。
ここまでコンベアの原材料が顔を出しました。
「ビフォー」
「アフター」
ちょっと残っている部分は通常の使い方で拭き拭き攻撃で前コンベアの手前側はここまできれいになりました。
しかし残念ながら実験隊の時間もオーバーといういことでここで断念。
<コメント>
313mcrを試したコメントですが、剥離剤ということで薄いフラックス膜から厚いフラックス膜まで効果があると感じました。時間があればリフローゾーンも新品に近い状態になると思います。
使用方法は2倍から5倍に希釈するので使用部分に応じて量を調整することで経済的に使用できます。
313mcr取扱:有限会社クラフト
〒124-0021 東京都葛飾区細田3-9-44
TEL:03(3650)8099
FAX:03(3650)8104
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