メタルマスク
メタルマスクとはクリーム半田をプリント基板に印刷する為の印刷版です。
実装技術において印刷工程は最も重要な工程になります。印刷工程ではプリント基板の表面実装用部品を搭載するランドにクリーム半田(ソルダーペースト)と呼ばれる粒子状のハンダを印刷します。その印刷を行うにあたりメタルマスクは必要になります。
メタルマスクはプリント基板のランドにあわせて開口されており、その穴からクリームハンダ(ソルダーペースト)を転写します。


メタルマスクの材質はニッケルメ合金やSUSなどで作られ、厚さは120〜150μが一般的でフットパターンや実装される部品によって厚さを変える。メタルマスク厚が厚ければ厚いほどクリームハンダ(ソルダーペースト)が転写されにくい。

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マスクは枠でテンションを張っています。

枠の大きさは600ミリ×550ミリが一般的で印刷機により縦長、横長と仕様が異なる。
他の枠サイズは650ミリ×550ミリなど大きいL型基板では736ミリ×736ミリといった枠サイズもある。
ちなみに一つの基板面に対して1枚メタルマスクが必要で、開口工程が終ると追加で穴を開けたりはできません。

・メタルマスクの種類(加工方法)
メタルマスクの加工方法としてはアディティブ、レーザー、エッチングの3工法が一般的です。
3つのタイプを簡単に説明すると、0603やBGAなどを搭載する難しいプリント基板はアディティブマスクや高品位レーザーマスクを使用するところが多いでしょう。アディティブマスクや高品位レーザー加工だとハンダが抜けやすい(転写しやすい)のです。しかし価格も少々高めになります。
1608以上の大きさのチップしか実装しない基板には価格の安いエッチングマスクで十分といえましょう。

・品質を左右するメタルマスク
印刷品質のほとんどがこのメタルマスクに左右される為、実装メーカーは常に研究し、オリジナルなノウハウをもっているところが多いです。開口にちょっとした工夫を加えることで抜け性が著しく変わることもある。
ぶつけたり(打痕)傷つけると印刷そのものに影響がでる為、取扱は十分に注意を払う必要があります。