実装職人TOPページ実装職人モノ作りコラムTOPページ > ハンダボールの原因と対策

ハンダボールとは

image ハンダボールとは主にチップの横に現れる半田のボール状の塊のことを言います。
ちょっとした条件の違いで発生する厄介で一般的な不良です。ハンダボールが不良というのは基板上に狭ピッチのICや狭隣接のパターンがある場合、何かの拍子で転がった場合、電子パターンの短絡、つまりはショートの原因となります。
全てが不良というわけではなく、各実装工場やメーカーによって大きさにより問題なしとするところも多いです。






基板設計とメタルマスクで発生するハンダボール

実装条件がパーフェクトでも基板のランド設計やメタルマスクが不適正ですとハンダボールは発生します。部品の下に印刷されたペーストが半田付け時に両極のランドに戻りきれずに部品横に出てしまい、そのまま凝固するとハンダボールの出来上がりです。
つまり部品の下のペースト量が多いとハンダがランドに引き寄せられる前に部品の重みで横に流れてハンダボールとなります。
対策として基板ランドが不適切でもメタルマスクの開口を調節することで改善は可能です。


スポンサードリンク


印刷条件やハンダの種類で発生する原因

印刷条件でペーストを厚く印刷するとハンダ量多過でハンダボールの発生原因となります。特にメタルマスクの厚みが200ミクロンくらいにするとハンダボールの発生は激増します。ハンダ量を確保しつつ、ハンダボールを抑制したいのであれば薄いマスクにしその分開口を面積を広げてやることが解決法の一つです。また印刷条件を同じにしてもペーストの種類によって発生率は異なります。特に鉛フリーハンダはいろいろな成分の違いがあります。
経験談からアルミ、亜鉛系の発生率はすさまじく特大のハンダボールがガンガン発生しました。しかしマスク開口の見直しで60%から1%まで低減することができました。その後にハンダを3銀0.5銅のハンダに変えたところ0%になりました。


スポンサードリンク


その他の原因と対策

ハンダボールの原因としてはさまざまありますが、リフロー条件が悪いと発生に繋がります。リフロー条件はできるだけゆっくりとしたプロファイルで生産することにより発生を抑えることができます。昇音勾配もできるだけ滑らかな曲線にすることが重要です。この対策はチップ立ち(マンハッタン)対策にも有効です。他の対策としては実装において部品の押し込みを軽くすることも有効です。実装時にペーストを潰すことでハンダが横に広がったり、溶融したハンダがランドに戻ることを押し込まれて実装された部品が邪魔し結果ハンダボールになる場合もあります。